本文へ移動

NOUKANO JOURNAL

加工品を考える前に、届けたい時間と残したい作業を決める

加工品で誰にどんな時間を届けたいか、自分は何を楽しみたいか。商品化を決める前に、任せたいことや未定のことも一枚の紙に置いてみる案です。

経営

「この野菜で、何か加工品を作れたら」。そんな思いつきがあるなら、商品名を決める前に、誰のどんな時間に届けたいかを考えてみませんか。

自分の畑のことを知ってもらいたい。贈る相手と話すきっかけを作りたい。いつも買ってくれる人に、別の楽しみ方を提案したい。いくつも作ることや、すべてを自分で担うことを、最初の目標にしなくてもかまいません。

今日は、届けたいものと自分が残したい作業を、一枚の紙に並べてみる案です。

誰の、どんな場面に届けたい?

たとえば「畑に来てくれた人が、帰ってから誰かとその日の話をするきっかけになる贈り物」。これは商品の形を決める前の、仮のアイデアです。

その人に何を感じてほしいでしょう。畑で過ごした時間を思い出してほしいのか、一緒に来られなかった人にも話してほしいのか。まずは思い浮かぶ相手と場面を、一つずつ書いてみてください。

相手が実際に欲しいと思うかは、まだ別の問いです。「こういう贈り物なら、どんなときに使いたい?」と聞いて、想像と違う答えが返ってきたら、その違いもメモに残せます。最初の案を守ることより、何を届けたいのかを考える材料にしてみましょう。

自分が楽しみたいのは、どの部分?

名前を考える。畑の話を短い文章にする。包みの雰囲気を描く。手渡す相手と話す。商品を考える中で、やってみたいことはどこでしょう。

同じ作業でも、自分で試したいときと、形になった結果が欲しいときがあるかもしれません。「全部が好き」と決めず、今回の自分の気持ちを一つずつ置いてみてください。

紙には「自分で試したい」「誰かと一緒に考えたい」「任せたい」「まだ分からない」の四つの欄を作れます。分類を終えるための表ではありません。今は迷う欄があっても、そのままで大丈夫です。後で気持ちが変わったら、移してみましょう。

任せ方にも、自分で選べる余地を残す

たとえば紹介文なら、伝えたいエピソードは自分で選び、文章の候補づくりを誰かに頼む案もあります。文章を書く時間が好きなら、自分で書いて、読みやすさだけを見てもらう案もあります。

お願いする前に、「何を伝えたいか」「どこは自分で決めたいか」「どこから相談したいか」を短く書いてみてください。頼めそうな相手がいる場合も、引き受けられる範囲や条件は、その相手に確かめることから始められます。

今すぐ任せ先を探す必要がなければ、候補をメモしておくだけでもかまいません。任せる量を増やすこと自体を、目標にしなくてよいと思います。

今日は、商品を作る前の一枚まで

最初の一歩として、次の三行だけ書いてみませんか。

  • 届けたい相手と場面は「    」
  • 自分で楽しんでみたいことは「    」
  • まだ分からないので、確かめたいことは「    」

商品案をいくつも出すより、気になる一つからでも大丈夫です。紙のメモや紹介文の案を作ったら、今日はそこで終える選択もできます。

ここで整理するのは、商品化するかどうかを考える手前の希望です。製造方法や販売の条件を決めた計画ではありません。先へ進みたくなったときは、何が分かれば次を選べるのかを、メモに足してみてください。

自分は何を届けたくて、どの時間を楽しみたいのか。その一枚を出発点に、続ける、変える、いったん置く、を選んでいきませんか。

ノウカノジャーナル一覧へ