NOUKANO JOURNAL

りんご 葉摘み|予定日より「次の晴天」を見て2〜3回に分ける

結論は、晴天・高温が続くときに南西面や樹冠上部の葉を一度に摘まないことです。葉摘みは収穫予定から逆算しつつ、直射の弱い場所から小さく始め、同日の午後に果実の露出を再確認してから次の区画へ進みます。農林水産省は収穫開始予定の30〜40日前から2〜3回に分ける方法を示していますが、品種、地域、果面の着色、出荷基準で適期は変わります。暦だけで一斉作業を組まず、「実施・限定実施・延期」を樹列ごとに決めましょう。

農林水産省の栽培資料では、りんごの葉摘みは収穫開始予定の30〜40日前から2〜3回に分け、玉回しはある程度着色してから行うとされています。ただし、この日数を全品種共通の開始命令として扱うのは適切ではありません。福島県の2025年7月の技術情報は、早生種の「つがる」「さんさ」について、果面の30%程度が着色した頃から、直射日光の当たりにくい部位を徐々に葉摘みするよう案内しています。これは福島県の早生種に対する指導例です。自園では品種別の収穫見込み、果面の着色、地元の普及指導機関やJAの最新情報を組み合わせ、開始条件を決めてください。

葉摘み前には着果量と枝の位置も確認します。青森県が2026年7月9日に公表した生産情報では、7月1日時点の果実肥大が各品種とも平年を上回り、仕上げ摘果後も見落としや成らせ過ぎを点検するよう呼びかけました。青森県内の生育情報を他地域へそのまま当てはめることはできませんが、葉摘みの前に見直し摘果、枝の下垂、支柱や枝つりの必要性を確かめる順序は重要です。枝を持ち上げた結果、葉陰の果実が直射へ出る場合があるため、支柱入れや枝つりをした樹列は、その日の午後に日当たりをもう一度確認してから葉摘み対象を決めます。

作業前日の午後に園内を歩き、南〜西側、樹冠外周部、樹冠上部、若木やわい化樹、乾きやすい区画を地図や作業表へ記録します。農研機構は、日焼けが全果実へ均等に生じるのではなく、樹の外縁部で強い直射日光にさらされる果実に多いと説明しています。農林水産省の資料が紹介する長野県果樹試験場のわい性台木樹の調査では、日最高気温が32℃を超えた日に果実表面最高温度が51.5℃となった果実が確認されました。気温と果面温度は同じではないため、温度予報だけで安全と判断せず、果実へ直射が固定的に当たる位置を優先して見ます。

最初に決めるのは「摘む葉」より「今日は触らない場所」です。晴天と高温が続く予報なら、南西面と樹冠外周部は延期区画とし、樹冠内部や直射の弱い側だけを限定的に進めます。福島県の技術情報は、地色の緑が強い時期に早く葉摘みすると日焼けを助長すること、高温下では果実が果そう葉で隠れるよう着果位置に留意することを示しています。着色を急ぐために日陰をすべて除くのではなく、果実を覆う葉を一部残す判断も必要です。作業表には樹列番号、品種、収穫見込み、着色状態、午後の直射位置、翌日以降の天気を並べ、班員が同じ基準で延期区画を識別できるようにします。

1回目は直射日光の当たりにくい部位から軽く始め、南西面や上部を同じ日に追い込まないことが基本です。農林水産省は急激で強い着色管理が日焼けを招くとして、曇天が続く日に実施するなどの工夫を求めています。長野県の高温対策資料も、日が当たる部位の葉摘みを一度に強く行わず、樹冠外周部では葉摘みをしないこと、午後から夕方の作業は日焼けが少ないことを示しています。ただし、午後作業は作業者の暑熱リスクが高くなる場合があります。極端な高温時は時間帯をずらすだけで解決しようとせず作業自体を延期し、地域の熱中症情報と農場の作業中止基準を優先してください。

玉回しは葉摘みの不足を一度に補う操作ではありません。農林水産省は、ある程度着色が進んでから行うよう示しています。長野県の資料では、回す角度が大きいと日焼けを生じやすいとされています。葉摘み、玉回し、徒長枝整理、支柱による大きな枝移動を同じ樹列で同日に重ねると、新しく直射へ出た果実を把握しにくくなります。本稿では、まず支柱や枝つり後の受光を確認し、次に軽い葉摘み、午後の再点検、後日の玉回しという別工程で管理することを勧めます。2回目以降は前回の作業日ではなく、果面の着色と日焼けの有無、次の晴天予報を確認してから決定します。

葉摘みした樹列は、作業終了を記録するだけでなく、同日の午後に再点検します。果実の陽光面が急に露出していないか、支柱や枝つりで向きが変わっていないか、葉摘みしていない隣の樹列と比べて確認します。新たな露出が多い場合は次回の葉摘みを止め、果実を守る葉や枝をそれ以上除かないよう作業札を付けます。長野県の高温対策資料は、日焼け果を摘除すると周囲の果実に日焼けが生じることがあるため、直ちに摘除しないよう示しています。被害果を見つけた場合も反射的に外さず、その果実が周囲へ作っている陰と産地の選果・摘果指導を確認します。

葉だけでは保護できない高危険果は、個別被覆を補助策として検討できます。農研機構は、強い直射を受ける果実をカサ状散光性資材や白色化繊布で選択的に覆う技術を公表しています。ただし、同成果の取付時期は仕上げ摘果後の7月上旬を基本とし、白色化繊布は着色不良、病害虫、サビのリスクを避けるため8月下旬に外すこと、カサ状資材も日焼けの危険がなくなれば速やかに外すことを示しています。導入時期や使用可能な品種は地域指導と製品説明を確認してください。記録表には葉摘み日、作業部位、午後の露出果数、日焼けの位置、被覆の取付日と撤去予定日を残し、その記録を次回作業の開始条件にします。

よくある質問

りんごの葉摘みは収穫何日前から始めますか?

農林水産省の一般的な目安は収穫開始予定の30〜40日前から2〜3回です。ただし、早生種では果面の着色を開始条件とする地域指導もあります。品種別の収穫見込み、果面の状態、産地の最新情報を優先してください。

りんごの葉摘みは朝と夕方のどちらがよいですか?

高温対策に関する長野県の資料では、午後から夕方の葉摘みは日焼けが少ないとされています。一方で、その時間帯は作業者の暑熱リスクがあります。高温日は作業を延期し、朝に行う場合も南西面や外周部を急に露出させず、直射の弱い場所へ限定します。

曇りの日なら南西面も一度に葉摘みできますか?

できません。農林水産省は曇天が続く日に分散する工夫を示していますが、当日だけ曇りでも翌日に強い日射が戻れば、露出した果実が高温になる可能性があります。数日先の予報と午後の果実位置を確認し、南西面は小区画ずつ進めます。

葉摘みと玉回しは同じ日に行ってよいですか?

高温期の外周果では避けるのが安全です。農林水産省は玉回しをある程度着色してから行うよう示し、長野県は大きな角度の玉回しに注意を求めています。葉摘み後の午後点検を済ませ、果実の露出と着色を確認してから別工程にします。

日焼けしたりんごはすぐ摘果した方がよいですか?

一律に摘除しません。長野県の高温対策資料では、日焼け果を摘除すると周囲の果実に日焼けが生じることがあるとされています。周囲への陰、被害程度、収穫までの日数を確認し、地域の指導に従って判断します。

参考情報